2013.05.14

向き合う

東京国立近代美術館で開催されている「フランシス・ベーコン展」に行ってきました。
ベーコンというと、闇に浮かぶ、叫ぶような表情の「教皇」の絵がよく知られているかと思います。一見暴力的なイメージが強いですが、生涯の作品を見渡してみると、対象に真摯に向き合った作家だったんだなということが伝わってきます。
たとえば男性の頭部を描いた作品。激しく歪められているにも関わらず、絵の前に立つと、不思議と肖像画や写真より生身の人間であると感じさせます。
少し太ったかな、とか、ふきでものが大きくなってきたな、とか、今日はいつもよりたくさん泳げるな、とか、体は日々変化を繰り返しているもの。心も、笑ったり、泣いたり、怒ったり、力がみなぎっている日もあれば、深く沈み込む日もあって。複雑な色彩でも表現しきれない多くの色合いを持つものだと思います。
ベーコンの描く人物を見ていると、人間は揺れ動く動的な存在なのだなということに、改めて気づきます。
何かに気づかせてくれる作品と出会うと、自由になります。
情報が溢れる世の中だからこそ、自分がどう感じるかを大切に、日々を丁寧に観察していきたいと思います。

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